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白夜行

東野圭吾著. -- 集英社, 2002. -- (集英社文庫).
ISBN:9784087474398
Rating:

1

お薦め本:展示【2021.12】

人気作家東野圭吾の代表作。
この物語はある廃墟ビルで男が殺害される事件が起きたところから始まる。犯人を突き止める決定的な証拠がないまま被疑者が死亡してしまったことで事件は迷宮入りしてしまうが、一人の刑事は 被害者の息子である亮二と容疑者の娘である雪穂という幼い二人のことが心に引っかかっていた。これ以降、物語はこの二人の成長と成功、そして微かな犯罪の足跡を周りの人々の視点から描かれる。全く別の人生を歩んでいるはずの二人の周りに起こる不可解な事件から見え隠れする伏線が、点と点が繋がっていくように回収されていく感覚は非常に面白い。さらに実際にあった
出来事を基に読者をミスリードしていく構成になっていることで、物語の世界に入り込みやすいと感じた。また、この作品において最も特徴的なのは二人の心情が物語の全てにおいて一切描かれていない事である。 これにより読者である我々は作品の隅々まで散りばめられた伏線から彼らが何を考え、どんな本質をもっていたかを推し量らなければならない。読者を圧倒する、緻密に組み上げられた物語は頁の多さも忘れさせる。読後、白夜に生きる二人に皆さんは何を思うだろうか。 特に読書好きの方には是非読んでいただきたい。


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