ベストセラー作家東野圭吾の、「手紙」や「白夜行」に続く本格ミステリーの最新作。 この物語は、善良な弁護士が遺体として発見された事件の容疑者が、ある自供をしたことから動き出します。 「すべて、私がやりました。すべての事件の犯人は私です」 解決したかに見えた事件を辿ると、33年前に解決したはずの事件の真相が徐々に見えてくるという展開なのですが、作者によって巧みに描かれる 登場人物達の心情と二転三転と変わる結末に、読者は一気に物語に引き込まれます。またこの作品で注目してほしい点は、加害者の息子と被害者の娘が事実関係を明らかにしようとしていることに対して、弁護士達は刑期を重くする事を優先している描写です。2人の真っ直ぐな思いに心を打たれると共に、私たちに司法のあり方を考えさせます。 ドストエフスキーの「罪と罰」を思い起こさせるような、ある人物の贖罪を描いたミステリー。実は推理しながら隅々まで読むと、途中で犯人を 突き止める事ができてしまいます! 読み応えの十分あるミステリーを探している方、是非手に取って読んでみませんか?
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