書誌レビュー一覧 1件~2件(全2件)

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三日間の幸福

三秋縋 [著]. -- KADOKAWA, 2013. -- (メディアワークス文庫 ; み7-2).
ISBN:9784048661690
総合評価:

1

お薦め本:展示【2018.11】

この世の中、平均寿命はどんどん伸びて少子高齢化社会と呼ばれています。
この影響で「人生100年時代」なんて言われる時代です。
寿命がどんどん伸びていっているのなら、その伸びた分楽しく生きていきたいと私は思います。

私はそんな寿命が大きく関わってくる本ををお勧めしたいと思います。
私がお勧めする本は著/三秋 縋さんの「三日間の幸福」という小説です。
この小説はもともとウェブで掲載されていた「寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。」というものを、作者本人である三秋 縋さんが長編小説にしたものです。

この小説は「寿命」という言葉がキーワードとなっています。
人生に悲観し、失望してしまった主人公クスノキが、3ヶ月という寿命を残して寿命を売り払ってしまいます。売り払うと、クスノキには監視員のミヤギという女性が派遣され、その女性との奇妙な生活が始まります。
このミヤギという女性は、クスノキ以外には見ることができません。
そして、残り残された寿命をクスノキはどのように過ごしていくのか。ミヤギという女性は何者なのか。クスノキとミヤギの関係はどうなっていくのか。あらすじとしては、こんな感じです。

私はこの物語をノンストップで読んでしまいました。
よっぽどのめり込んでいたんでしょうね。最後は感動して目がうるうるしていました。
また、「三日間の幸福」というタイトルの意味が、最後まで読むとわかるんじゃないかなと思います。

冒頭でも書きましたが「人生100年時代」と呼ばれるこの現代だからこそ読んで欲しいと思い、この「三日間の幸福」をお勧めしたいと思います。是非読んでみてください!


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2

お薦め本:展示【2016.5】

小説の面白いところは、私たちと異なった世界で生活する主人公の物語を、疑似体験できるところにあると思います。
そのような中、自分の寿命を査定してもらい、売ることができるという本書の設定は、想像するだけで面白いです。つまり、寿命を売るということは、お金と引き換えに寿命が縮むことです。主人公のクスノキは、寿命を売り払い、余命が三ヶ月にしてしまいました。
クスノキは、自らの人生に絶望しており、余生を長く過ごす必要はないと考え、寿命を売ってしまいました。
ですが、人生に終わりが決められた瞬間から、クスノキの人生は変わっていきます。そして、残された余命が三日となった時、彼は人生で最も価値のある三日間を送ることになります。
私たちが住んでいるこの世界は、美しいでしょうか、それとも汚いでしょうか。それは人それぞれで違うと思います。
クスノキは、人生の終わりが見えた時、自分の住んでいる世界がこれほどまでに美しかったのかと気付きました。
その時には、もう手遅れであると悟った時、世界は最も美しくなるのではないかと、筆者は訴えたいのかもしれません。


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