書誌レビュー一覧 1件~1件(全1件)

イメージ

1984年

ジョージ・オーウェル著 ; 新庄哲夫訳. -- 早川書房, 1972. -- (ハヤカワ文庫 ; NV8).
ISBN:4150400083
総合評価:

1

お薦め本:展示【2020.4】

この本は、1900年代を代表するイギリスの作家、ジョージ・オーウェルが書いたディストピア小説です。
一党独裁国家の中で歴史を改ざんする仕事についている主人公のウィンストンがこの完全管理社会で起こる出来事に疑問を持ち、この世界を変えようと試みる話です。
家の中や街の至る所に人々を監視するためのテレスクリーンがあり、党に対して反逆の意志が伺える行動を取るとすぐに思想警察に逮捕され、蒸発(存在自体を抹消)させられるこの世界は、とても窮屈に感じました。その中で、彼は自分の同志になりそうな人を見かけますが、本当は思想警察の手下かもしれないと、監視から逃れながら行動する彼の様子には実にハラハラさせられます。
また、党の都合の良いままに改定される歴史やニュース、コンテンツを見て、決して我々が暮らす世界に起こらないとは言えないと感じ、情報が正しいかどうかを見極めるための知識や自らの記憶の大切さを感じました。これからますます情報化する社会において、この作品の一読をお薦めします。


0人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。このレビューは参考になりましたか? はい いいえ