本書は、日本の前衛美術家である赤瀬川原平さんが「超芸術トマソン」に関する記録や活動を写真とともに紹介し、考察したものです。 「超芸術トマソン」とは、不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物を指し、具体例としては、使われなくなったドアがセメントに塗り込められた際に残ったままになっているドアノブ、またはそのドア全体の構造などが挙げられます。 アマチュアのトマソニアンである私は普段、近所にあるトマソンやネット検索で見られるトマソンの画像を鑑賞し、感慨深い気持ちに浸っておりました。しかし本書では、プロの芸術家の著者やトマソン観測センターのメンバー、更に、目の肥えたトマソニアンである報告者の方々による解説や考察が細かく記されており、非常に興味深く感じました。特に、実用性がないにも関わらずきちんと修繕され、確かに存在するトマソン特有の美しさには私自身も驚かされました。 本書には難しい文章もなく写真も多いため、楽しんで読めると思います。興味を持った方はぜひ手に取ってみてください。ようこそトマソンの世界へ!
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